水谷恭平さん、さおりさん
[プロフィール] 2020年4月に笠置町に移住。
恭平さん:愛知県名古屋市出身。前職は国際協力コンサルタント。
さおりさん:東京都出身 。
Q.笠置町移住の経緯を教えてください。
A.土いじりができて、自分で食べるものを作ってみたかった。
恭平:僕ら二人とも青年海外協力隊員をしていて、中米のホンデュラスというところで知り合いました。協力隊が終わってからも中南米やアジアの様々な国に行ってボランティア事業の運営などをずっとしていたのですが、それを辞めて日本に帰ってくることになりました。
第二の人生をどうしようかなと考えたときに、ちょっと土いじりができて自分で食べるものを作ってみたいなと思いました。もともと農業大学を出ており農業には興味がありました。両親は名古屋に住んでいるので、電車1本で行ける場所だということと、下呂の友達が今の仕事を紹介してくれたこともあって、3年前に恵那に来ました。
富山も候補地でした。福祉業界の先進地で、障がい者と高齢者介護の共生型っていうサービスをやっていて興味があったけれど、妻に却下されて(笑)
さおり:「富山、冬」で検索したら、雪かきとか大変だって書いてあって、わたしのエネルギーを雪かきには使えないと思ったから。で次に「恵那はどう?」っていわれて検索したら、冬はそんなに雪もめったに積もらないって書いてあったからいいよって。
Q.家はどのように探しましたか?
A.今のお隣さんが、「ここに しんしゃい!」って教えてくれた。
さおり:最初は付知(中津川市)に住みたくて、付知で毎日家を探しに行っていたけれど、でも「これ!」っていうのがありませんでした。そうこうしているうちに笠置に先に移住していた人と知り合いになり、お宅に遊びに行きました。その時初めて笠置町に来て、「あ、いいじゃん!」って思って、付知に縁がないなら笠置町で探そうと思いました。
笠置町内をぶらぶらしていたら空き家があって、「この景色だよ、私が住みたいのはここだよ」と思って、そこの持ち主を探してもらいお願いしましたが、はっきり断られました。
そこは諦めて、次にセカンドベストだった家の親戚の方(今のお隣さん)に話を聞きに行ったところ、「そこは明治に建った家だから今のままじゃ住めない、そこはやめて、ここにしんしゃい」って今の家を教えてくれました。
その方が空き家の家族や持ち主がどこにいるか知っていたので、連れて行ってもらうと、その所有者の方は将来的にどうにかしなきゃな、とは漠然と考えてらしたけど具体的にどうしようとは考えていなかったようでした。お隣さんは「早よ、売りんしゃい」と交渉を手伝ってくれました。
夏前には話がついたのですが、空き家バンクの手続きや農地の名義の変更に時間がかかって、12月に契約をして1月から3月までリノベーションをして、2020年4月に移り住んで来ました。狭いですが田畑があり、野菜を作っています。米づくりには来年から挑戦しようと思っています。
Q.お仕事は何をされていますか?
A.福祉施設でワインづくりという夢のある仕事 ペルーで資格を取ってヨガ教室を
恭平:障がい者の自立を支援する、就労支援事業 B 型っていう所で仕事をしています。遊休農地を借りあげて、障がい者の方とブドウを育てています。
最近、醸造免許が取得でき、ワインを今年初めて仕込んでいます。夢のある仕事ができるのは恵まれていると思っています。
さおり:この家でヨガ教室講師をしています。アイアンガーヨガというもので、ペルーで認定指導員の資格を取りました。
生徒さんはまだ10人にも満たないけれど長野の伊那や中津からも通ってくれる方もいます。
アイアンガーヨガの特徴としては、
①道具を使うこと、
②正しい身体の使い方、
③ポーズの順番のつながりを大切にすること の3つがあります。
Q.笠置町で暮らしてみてどのように感じてみえますか?
A.住環境がいいのに、近くて便利で快適。
恭平:住み始めて1年経ってないので、わからないことが多いですが、職場とも街とも近いし便利。車なら駅まで新東雲橋のおかげで、車があれば10分で行けるのはありがたい。これほど便利なのに、こういう自然に囲まれた住環境があるのはいい。僕は満足しています。ここでよかったなと。
食べ物の完全自給は無理でも、できるだけ自分で作りたいので、会社行く前とか土日にせっせと畑仕事をしています。野菜は自分たちで作ったものを食べているけれど、他のものは週2日くらい駅前へ買い物に行きます。
さおり:私も気に入っていて快適に暮らしています。隣人の皆さんも優しくしてくれています。自治会の集まりが多くてびっくりした。
新しい人を、良く来てくれたねって、受け入れてもらえているのでありがたいです。
Q.自治会や地域の活動はどうですか?
A.自治会費が高いのはびっくりした。
恭平:入る前に地域で面談をしてもらいました。自治会は入ることが前提だったと思います。田んぼを持つことになったので、営農組合にも入りました。自治会費が高いのにはびっくりしたなんてもんじゃなかった。街だと月200円くらいですよね。
今年は行事が大幅に縮小されていて残念です。剣の舞の時は、私の所属している自治会はは当元だったので、前日から竹を切って飾ったり、しめ縄を作る経験をしました。おもしろかったです。
さおり:引っ越してきて直ぐに、班でお葬式がありました。香典の確認を数人で担当しました。それをやったので、相場とかがよくわかりました。事前に聞いて持っていってよかったです。御淋見舞いの存在を初めて知りました。
Q.不安や不満に思うことはありますか?
A.減りゆく人口の中で、環境を守っていけるか不安だ。
恭平:山の草刈りとか行事が多いかな。週5日で働いているので、休日に1日に2~3時間とはいえ、それがあるのとないのとでは違うので。もちろん、草刈りだって自分たちでやらなきゃいけないっていうことは理解できますので、積極的に参加しています。
人口が減っている中で、この環境が守れるのかが不安です。草刈りや行事に出て行っても、僕より若い人はあまり見ない。同じ恵那でも串原は若い移住者が多いそうですね。ここもそうなると良いですが。
Q.様々な国で暮らしてきた目で見て、ここでの暮らしはどのように感じますか。
A.高齢者が元気で自然に囲まれて暮らせることが、豊かだなと思う。
恭平:とても豊かなところだと思います。特にご高齢の方が健康で元気で働いているのがいいですね。夫婦で畑に出ていろいろしたり、常に何か身体を動かしてやることがあるというのは、とてもいいなと思う。
さおり:旬の美味しいものを食べ、自然の中に囲まれて暮らすということが、私にはとても豊かな生活だと感じます。ここはそんな暮らしができるところです。
▽関連リンク
ヨガスタジオ 笠置
岐阜県恵那市で初めてのアイアンガーヨガ教室
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