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執筆者の写真笠置町 恵那市

 空き家対策・移住者受け入れの先進地・瑞浪市大湫町の視察交流の内容を紹介します。                                                    

大湫町は人口 300 人余りの小さな地区で、移住者を多く受け入れ、 2015 年から

2020 年の 5 年間で 0~ 4 歳の 子ども の数が 1 人から 13 人に増えるなど、子どもの

数が増え始めています。その空き家対策や移住定住支援の取り組みを学ぶために、

11月 6 日に移住定住 委員会 委員 、振興事務所職員 計 14 名で 訪問し ました。


     【大湫町転入対策委員会の方と笠置町移住定住委員会との対面の様子】

 


 大湫町の中心部は、 中山道の街道筋。伝統的な町並みがよく保存されているもの

の、空き家が 増え 、 景観 を 維持できるか心配 が あったそうです。 通り 沿いの移住受

け入れ民家 の見学 を し ました。


 ①米屋 (屋号)


 空き家 の 家主さんから 寄付の申し出があり、地縁団体で受け入れ瑞浪市の地域づくり補助金と 、 地域 の 資金 により屋根を改修。

 賃貸物件として貸し出し ている。

 現在は、若い 夫婦が入居 し 、子ども も生まれた。内装は、 古民家再生事業 を利用し、

入居者 が主体となり ボランティアが参加して改修。


②柏屋

賃貸物件となっていて、 シェアハウス として 活用 され 、 若い方が 2名 住んでいる。

町内のお母さんたちの手作り 小物や 、陶芸作品など誰でも作品を販売 できる場が あり、 みなさんの つどいの場にもなっている。

他に 、 もう一軒シェアハウスがあり、2名が 入居している。




③カフェ橘

 町並み保存の取り組みとして市が買い 上げ た。有形登録文化財 に指定。

市が負担して外装を改修し、活用 事業者を公募。

 事業者が、クラウドファンディングで資金を得るとともに、瑞浪市地域活

性化施設等整備事業 の補助を受け内装を改修した。 今年 夏に 古民家カフェと

してオープン。





④西 森川 邸

 空き家になって長く 傷み がひどくなっていた。町民有志 によ り、家主さん の 同意を得て再生プロジェクトが進行中。家主さんとともに 町民 が ボランティアで掃除をするなど、一緒に活動している。

 賃貸契約し、クラウドファンディングで調達し た資金 と瑞浪市地域活性化施設等整備事業補助金で、 危険 な 建物 を 取り壊し、座敷 と 水回り を 改修。田舎暮らしを体験できる施設など、これから活用 方法を 具体化していく。




大湫町転入対策委員会の皆さんとの意見交換 会笠置町からの質問に対する回答




Q 空き家の掘り起こしをどのように行っ ていますか?


A (大湫町 空き家が 出ると家主 さんに声を かけています。 時 々 、 畑 に来ている時に声をかけるとか。

次に、入居希望者と家主さんが対面し、互いに交友を深め、「この人なら貸してもいい

な。」「この家主さんとなら話しが進められそうだ。」となった上で話しを進めています。



Q  空家 物件 をどのように取り扱っています か?


A  大湫町 転入対策 委員会 が 、 家主さんと入居希望者の仲を取り持 ちま す。



Q  相続されていない 物件など は 活用できますか?


A  賃貸 なら代表者がはっきりしていれば 大丈夫です。 入居したい人は どちらかという

と 賃貸の希望が多い で す。 都会の高いアパート暮らしよりは安い田舎の一軒家。お金

を貯めて次のステップへという人が多いようです。



Q  寄付物件は どのように受け入れていますか?


A  皆で議論して 宿場町の町並みを保存するためということで 、地縁 団体で受け入れる

ことにしました。 固 定資産税を払っています。改修 の ために大湫町が負担した金額 を

20年間で 回収 できるよう 賃貸料を設定しています。 現在、 宿 場の 町並み以外の物件は

受け入れていません。



Q  移住したい 人はどのように見つけるのですか?


A  市に 問い合わせがくると、こちらに つないでもらい ます。 最近で は、 パンフレット

を見た、 実際に 町並みを歩きに来た など で、直接電話 を してくる人もいます。



Q  移住してきた 人への支援はありますか?


A  大湫町 転入対策委員会を中心に 、 地域の人に声をかけて片付け作業を し ます。

まずは前所有者の片付けが大変ですね。



Q  大湫 町のことを知ってもらう取り組みをされていますか?


A  子育て中の お母さんたち による 「集まろう会」というのをやっています。 小さな子

ども さんから高齢者 まで年齢や地域を問わず、いつでも誰でも気楽に参加できます。

太 鼓やイモ掘りなど 、 子どもたち が やりたいことを考え 、声を掛け合い、 移住に 興味

のある人にも 親子で参加してもらっています。 一緒 に活動 す ると大湫のことがわかり、顔がつながって移住してくる人もいます。 子ども達が主となり学校でも声を掛け合ったことで、今年の イモ掘り は5 0 名の参加がありました。




大湫町の取り組みに学び、笠置町で何ができるか?


~視察後の委員さん の感想・声から~


「 親切なお母さんみたいな 方が面倒を見ていていいなあと思 いました。 」

「 転入対策委員長さんの熱意 。巻き込み力。柔軟性がある。 」

→大湫町転入対策委員 長さん の熱意に町の皆さんも協力 してくれます。


「 新規移住者との交流会は必要ですね。まだ一度もお会いしていない。来て直ぐで

ないと今更感がでる。 」

→笠置町でも交流会やりたいですね。


「 空き家を活用し、 そこに 住 んでもらえ るだけで家や街並みが保全できる。 」

「 先祖が残してくれた 田畑や里山などの 維持 も 含めた検討が必要 。 」

→大湫町では街道筋の街並み保存という観点からの空き家活用が多くみられました。


「 地縁団体への寄付も、きちんと家を選んでやっているとのこと。そのために話 し合いが何度も行われている。」

「 地縁団体でなくても、NPOを立ち上げたりして寄付を受けることはできない か?」

→地域で寄付をうけつけるというのは工夫が必要。


「クラウドファンディングの重要性」

「 多くの人に 手伝ってもらうこと、いろいろなひとを巻き込むこと が重要 」

→クラウドファンディングを有効に使っていたのは参考になります。


「 笠置町も古民家の 利用を考えて 、 お店、民宿など色々活性化が図れる事を願って

います。」

→空き家のいろんな活用ができると町がにぎやかになりますね。



編集後記

現在大湫町では、 転入して来た方が生活しやすいように、「転入のしおり」を作成中。

また、手作り品を 販売するイベント「オオクテツクルテ」を開催し 、町をPRし てきたことも転入促進につながってい るそうです。 人のつながりを 大事にされていると 感じました。



大湫町の取り組みを学び、移住定住委員会でも今後、笠置町で何ができるか協議していきます。ご意見ありましたら委員会までお寄せください。











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